2011/01/28

なぜ、データの連携が必要なのか(2) 社外との連携

前回は蓄積されてゆく社内のデータは単独でなく、各種のデータを連携させることで初めて活きてくることを書いてみました。

では社外とのデータも連携させた方が良いかというと答えはYESだと思います。




我々中小もツイッターやfacebookなどで「つながる」機会が以前と比べて格段に増えています。

これとかこれとかこれとかこれとか…

もちろん連携せずに個々の中小企業で製品開発をしてもよいですが、各社生産キャパシティは限られていますし、得意な加工レンジや加工の種類も様々です。

やはりつながってものづくりをすることで色んなことができるようになります。




社内をデータの連携されたシステムで業務が円滑に効率的に流れるようになったことは実感されている方も結構いるかと思います。

業務的なつながりが出来たときに、企業間もデータ連携がされた状態というのが作れれば、中小企業の連合体があたかも仮想大企業のような総合力を持った生産体制を構築することも可能になるはずです。

EDIのようなデータの受け渡しをスムースに行えるようにするのは非常に効果的だと思います。



現状のEDIの問題点はバイヤーが個々にEDIの仕組みを立ち上げていること。

これでは企業間のシームレスなデータの連携は取れません。


ものづくりの仕事の流れもツリー型からメッシュ型に変わってきています。

従来の1対1のEDIではなく、共通の仕組みの上でそれぞれの企業がやり取りするような形の方がそれに会う形ではないでしょうか。


小島プレスさんのこれとか

グローバルワイズさんのこれとか

非常に面白い。


こういう仕組みが一般化したときにEDIは受発注だけでなく、様々なデータのやり取りが可能なものづくりの基盤となるプラットフォームになるのかなと思います。

2011/01/27

なぜ、データの連携が必要なのか?(1)

「なぜデータ連携が必要なのか」



コンピュータはすごく早くデータの処理をしてくれますが、決まったこと以外はしてくれません。


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たとえば、熱狂的なファンがサブちゃんにファンレターを書きます。

そのファンレターを北島音楽事務所の北島三郎さん宛てで投函しました。


人間がこれらの文章を読むと北島事務所にサブちゃん宛てのファンレターを書いて送ったことがわかります。


サブちゃんと北島三郎が同一人物であることをあらかじめ教えておかないとコンピュータには

・ファンレターを書いたこと

・投函したこと

が同一の人物に対する動作として認識されません。


記録が ぶつ切りの状態になってそれぞれの関連性がわからなくなるんです。

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まあ、こんな話はどうでもいいんですが、じゃあ、実際に業務上で考えるとどんな不都合が生じてくるか


たとえば管理部門で販売管理のソフトが動いており、現場では材料管理台帳を作っている機械加工業のA社を考えます。

 「いつ」「どの顧客に」「どの製品を」「いくらで」「何個」などの情報は管理部門の販売管理システムで調べることができます。

 「いつ」「どの製品に」「どの材料を」「どれだけ」使用したかは現場の材料管理の台帳で調べることができます。


どの製品ってところ比べれば材料のトレースできるじゃんって思いますよね。

同じものでも人によってどんな記録取るのかまちまちです。

製品コードみたいなもので管理しているのか製品名で管理しているのか。

これらの判断って人間が見ないとわかりません。



また、「製品コードで入力しようね」って打ち合わせても別々のところで入力していると

・タイプミス

・全角半角の判断

・大文字小文字、"0とO"とか"1とlとI"とか間違えやすい文字の読み違え

など、コードが合わなくなる可能性っていっぱいありますね。

だったら同じ台帳データを使えば最初からそんなことしないでいいでしょ、って話になります。
さらに同じ仕組み上にそれらを乗っけちゃえばディスプレイにいくつもウインドウ空ける必要もなくなります。(予防化、簡素化)


あとは同じデータを重複入力している工数も結構バカにならないですね。(効率化)



各種記録がデータ化されているのにそれぞれが連携されていないがために、紙をひっぱり出してきて必要な情報を探すって、小さな会社の事務所ではよくある風景だと思います。

こういう必要ではあるけれども、付加価値を生まない作業には時間かけたくないって思いますよね。


データはため込むだけでは不十分です。

連携して初めてその価値を発揮するものです。


高いお金払ってシステム導入しろって言ってるわけではなくて、自社でできればそれでもいいかと思います。


ということで次回へつづく。

2011/01/25

簡単な注文書アプリを作りました

従来、外注先への注文書はExcelで作成して仕入れ先ごとのフォルダに別名保存し、運用してきました。





これだと個別の製品の履歴を追いたいときに個々のファイルを開かないといけません。

どこの仕入先に発注したかも忘れてたらいろんなフォルダを開くハメになります。


最近はデスクトップ検索なんて便利なものもありますが、端末によっては非常に重くなるし、検索のレスポンスもそこまでよくはありません。

デスクトップ検索は非定型のデータに対して「ああいうの作ったけどどこだったっけ?」に使うものだと思います。


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話を戻しますが、仕入れ先への注文書をFilemakerで作ってみました。


ただ、これもよくある話ですが、基幹システムで持っている仕入れ先のマスタデータと別系統のデータを使って作成してしまうとデータの整合性がとれなくなり、将来的に「使える」データとはなりません。


データは「連携」させることで初めて利用価値が出てくるのです。
(ため込むだけでは使い勝手が限られます。)


FilemakerのVer9以降ではODBC経由で別DBのデータに直接アクセスできます

(Accessのリンクテーブルと大体同じ感じです。)


基幹系のマスタデータを利用して仕入先や社内の発注担当者を一覧から選択するような形にしてみました。







これで

「あの製品いつ何と注文したっけ?」

「前回、何個ロットで単価はいくらだったっけ?」

がなくなりますね。


実際は自己管理ができていないだけだったのに”忙しい”を理由に手を付けていませんでした。


小さな作りこみで皆の「探す」時間を節約できると思うとまず最初にやるべきなのです。


これからも皆の効率が上がるような仕事は率先してしてゆきたいと思います。



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【おまけ】Filemakerのポータル機能を使った際のデータ追加に関して。


注文書のヘッダ情報に対して、個別の品物の詳細情報をFilemakerのポータル機能で表示させることで注文書を作成しましたが、最初データの追加が出来なくて設定を色々調べました。


よく考えれば当然わかることなのですが、データの整合性を保つためにテーブル間のリレーションの詳細設定をする必要がありました。







再度うっかりしないように記録化。

2011/01/24

ITC多摩協議会で講演をして参りました

1/22(土)午後に、ITコーディネータ多摩協議会の勉強会で講演をしてきました。

場所はJR橋本駅前のミウィ橋本8Fセミナールーム。




学生時代以来に下車した橋本駅周辺は約20年前とは比べ物にならないほど開けていて本当に驚きました。


さて、内容ですが、

こちらにもある通り、(ここから引用)

【開催案内詳細】
1.日時:2011年1月22日(土) 13:00~17:00
2.場所:JR横浜線 橋本駅隣接
「杜のホールはしもと ミウィ8階セミナールーム2」
3.勉強会内容
『中小製造業の「ITかいぜん」と「データ連携」』

中小規模中小製造業の企業間取引はFAXが主体でデジタルデータ連携されておらず、企業内ITもデータ連携が不完全な状態に止まっています。
この状態を変革するための国の活動が進展してきており、この動きを受けて中小製造業が活用できるITツールも登場してきたので事例を中心にして紹介します。

(1)国のビジネスインフラ事業と次世代EDI推進協議会(JEDIC)の活動について
【概要】経済産業省が進めているビジネスインフラ事業の概要と、本事業における中小企業EDIについて紹介する。
次世代EDI推進協議会(JEDIC)は経済産業省の外郭団体である財団法人日本情報処理開発協会が事務局を担当する国のEDI標準化・普及団体である。同協会の今後の普及活動方針を合わせて紹介する。
【講師】次世代EDI推進協議会(JEDIC)事務局長 菅又様

(2)グリーンEDIと自動車業界EDIについて
【概要】自動車業界EDI標準は自動車メーカーとTier1企業の間で利用されているがTier2以下の自動車部品取引は個別仕様EDIが乱立し、Tier3以下の取引ではFAXが主に利用されている状況にある。
このような状況では中小自動車部品サプライヤの企業間取引の生産性は低レベルに止まっている。
小島プレス工業㈱殿はトヨタ自動車工業のTier1企業であるが、このような状況を抜本的に改革するため、中小企業向け共通EDIとしてグリーンEDIを開発して中小企業取引の構造改革を進めているので、その活動を紹介する。
【講師】小島プレス工業㈱総務統括室経営企画課 菅野様

(3)サポインEDIとSaaS型中小企業共通EDI(EcoChange)について
【概要】大手製造業と中小製造業の取引の大きな部分は、量産準備段階の試作品や金型、生産設備など図面を伴う受注品取引が占めている。
この取引はまだFAXが主流であり、個別仕様EDIが導入され始めているので、この取引に利用するための新しい中小企業共通EDIとしてサポインEDIの開発をITコーディーネータ協会の調査研究事業で進めている。この概要を紹介する。
【講師】ITコーディネータ協会川内フェロー
グローバルワイズ㈱稲野取締役

(4)サポイン企業の「ITかいぜん」について
【概要】サポイン企業は社内のIT化が進んでおらず、EDIでデジタルデータを受信しても、メリットが得られない企業が大多数である。特に従業員50名以下、年商数億円規模の中小製造業にとって、使い易い適当な価格のITソリューションが提供されていなかった。
由紀精密㈱は従業員20名の精密金属部品加工を行っている企業であり典型的なサポイン企業である。
このたび法政大学西岡教授が開発した「ITかいぜんツール」を活用して同社の社内システムの更新を行ったので紹介する。さらにこれを受けて、協力企業間のサポインEDIを活用した企業間連携の展望を述べる。
【講師】由紀精密㈱開発部システム開発室主査 笠原様

(5)パネルディスカッション
【概要】講師各位によるパネルディスカッションを行う。
主題は我が国製造業の生産性向上のための企業間・企業内データ連携による「ITかいぜん」の意義と、これを支えるITツール、ならびに普及のための国施策について意見交換を行う。

(ここまで引用)

といった内容でした。




まずは次世代EDI推進協議会(JEDIC)の菅又事務局長様と村田様の講演。


ピラミッド型からメッシュ型の仕事の流れに変わりゆくある国内製造業の産業構造に対応できる次世代EDIの仕組みに関して説明がありました。

経済産業省の素形材ガイドラインに独自規格EDI の法令違反の可能性に関して触れられていますので、この共通EDIが標準になる可能性というのもそれなりに高いのではと感じました。

特にISO20022導入を控えてEDIと金融を連携させる機運が金融業界にも高まっているという話は我々中小企業にとってもEDI導入の大きなモチベーションとなりうる要因と受け止めました。



二番目はトヨタのTier1企業である小島プレス工業の菅野様の講演。


こちらでは大変興味深い取り組みをしており、自社で共通EDIの仕組みを立ち上げています。

業界として下請けの黒字倒産が問題になることがあり、それを何とかしたいとの思いで東京三菱銀行と連携して行っている金融機能をEDIに結び付ける実証実験は今後の動向をチェックしたいと思いました。

トヨタグループ全体でこの仕組みが採用される可能性はありそうなので要チェックです。



三番目にASPで多対多のEDIを運用しているグローバルワイズの稲野様の講演。


中小にも検討出来うる価格でフルパッケージのEDIを利用でき、先ほどの小島プレスEDIやもう一つの 共通EDIと相互接続しており、機会があれば弊社と仲間内で利用できるのでは、と興味を持ちました。



四番目に私の講演。


詳細の内容はまた書きますが、

・中小製造業の置かれている現状とそれに対する取り組み

・これまでの社内データ連携で得られた効果

・社外との業務連携の重要性とその際に必要になるデータ連携

に関してお話しさせていただきました。



最後にパネルディスカッションにパネラーとして参加してきました。

緊張するかと思いましたが、あれですね。

パネラーは結構気楽なもので、司会の方に求められる技量とそのプレッシャーって凄いんだろうな、と感心しきりでした。

さすが百戦錬磨の川内様。


後日、資料が公開されるようですのでまた、話題にしたいと思います。